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伊藤晃平君 命の価値裁判 最終報告会
2012年10月29日(日)
命の平等へ向けて開いた新たな地平~弁護士岩月浩二
岩月レジメdocファイル
◆ ◆ ◆

2012年6月24日(日)
12時~13時金山駅にて報告街宣。
これをもって、支援する会を解散とさせて頂きました。 皆様どうもありがとうございました。

◆ ◆ ◆

2012年3月30日10時40分
名古屋地裁 判決の予定でしたが
原告側の条件のひとつである公開法廷での和解決定となりました。


和解調書 被告は「心から謝罪する」こと
逸失利益 773万8370円
 (最低賃金換算でおよそ6~7割)
慰謝料 亡晃平君 2000万円
 (健常者同等)


意見紹介(4)参照

 法廷で、倉田慎也裁判長が冒頭で述べた言葉は、感動的でありました。
「生命の平等を訴える遺族の主張を踏まえ、公平な分担をすべきと考えた」とのことで、実質的な大勝利と考えます。
 これは、障害者に限らず、非正規労働者、失業者、主婦、高齢者、乳児など、「逸失利益」の少ない人々に対する全体的な底上げを示唆した和解案とみます。どこの誰でも、このくらいの逸失利益は認められるのだ、という意味でもあり、。同時にこれは被告との和解合意であったために設定できた金額、とも受けとめられます。
ハガキ  26日裁判所和解の骨子を示して勧告。27日夜、原告から和解条項及び和解の形式について原告側意見をFAX。28日、裁判所から和解原案の提示あり。双方に意見を述べる機会を与える。29日、双方が、裁判所案を受諾。
 異例の急展開をしたところからみて、世論や支援の力の大きさを改めて実感した終結でありました。
 世の中は変わる。一歩一歩だが、確実に変われる。晃平君は、私たちにそんな希望をくれました。(竹内彰一)

 勝訴しても失われた命が戻る訳ではありません。しかしこれが障害者を始め弱者の人権の尊重を前進させるなら、ひとつの花を咲かせたことになるでしょう。 「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただひとつにてあらん。死なば多くの実を結ぶべし」(sleeping bear)

新聞報道
中日新聞3月30日夕刊
日本経済新聞3月30日夕刊
朝日新聞3月30日夕刊

★ NHK 3月30日 12時20分
障害児の“逸失利益”認め和解

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120330/k10014082121000.html
NHKニュース 重い知的障害があった少年が死亡した事故を巡る裁判で、将来働いて得たと予想される「逸失利益」を賠償金に盛り込んだ和解が名古屋地方裁判所で成立しました。
 こうしたケースでは「働くことが難しかった」として「逸失利益」をゼロとされることが多く、同じような裁判にも今後、影響を与えそうです。

 この裁判は、5年前、重度の知的障害などがあった名古屋市の15歳の少年が、施設で階段から転落して死亡した事故を巡るもので、施設側が将来働いて得たと予想される「逸失利益」をゼロとしたのに対して、遺族は「命の価値は同じだ」と争っていました。
 名古屋地方裁判所で話し合いが行われた結果、少年が将来、仕事に就けた可能性を認めたうえで、逸失利益の額を障害年金の受給額を基準に770万円余りとすることなどで和解が成立しました。
NHKニュース  和解を勧告した倉田慎也裁判長は、30日の法廷で「生命の平等を訴える遺族の主張を踏まえ、公平な分担をすべきと考えた」と述べました。
 重い障害がある人の「逸失利益」については、「働くことが難しかった」としてゼロとされることが多かったものの、3年前、青森地方裁判所も同様のケースで「逸失利益」を認定する判決を出していて、将来、仕事に就く可能性を広く捉えた今回の和解は、同じような裁判にも今後、影響を与えそうです。
遺族“息子にいい報告”
 記者会見した母親の伊藤啓子さんは「息子は『全く働けない』と断言されてきましたが、きょうの和解で将来働ける可能性が認められ、満足しています。息子にもいい報告ができます」と話しました。
 また、母親の弁護士は「障害児の逸失利益を巡って、同じように苦しんでいる人たちに今回の和解がいい影響を与えてほしい」と話しました。
 一方、和解について施設側は「1日も早い解決を望んでいました。遺族の方には心からおわびを申し上げるとともに、晃平くんのご冥福をお祈りしています」と話しています。

★ 中日新聞ウェブ   2012年3月30日 13時45分
障害児の逸失利益770万円

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012033090134130.html
記者会見  重い知的障害のある次男を事故で失った遺族が、損害賠償額で「将来得られたはずの収入(逸失利益)はゼロ」と算定されたのは「命の差別だ」と訴えた裁判は30日、逸失利益として施設側が770万円を支払うことなどを条件に、名古屋地裁で和解が成立した。
 施設側が逸失利益770万円を含む慰謝料など計3700万円を支払うほか、「心から謝罪する」ことなどで和解した。
 訴えたのは、名古屋市守山区の特別支援学校高等部1年、伊藤晃平さん=当時(15)=の母啓子さん(54)ら。晃平さんは2007年12月、市内の短期入所施設に宿泊中、階段から転落し亡くなった。
 施設側は管理体制の過失を認めたが、重度の知的障害があるため「逸失利益」はゼロと算定。啓子さんらは「将来できる仕事はあったはず。障害の有無で賠償額に差をつけるのはおかしい」として逸失利益4千万円を含む7600万円の損害賠償を求め、提訴していた。
 和解を勧告した倉田慎也裁判長は、啓子さんらが主張した将来の就労の可能性に「十分に予測できるとまでは言えないが、可能性は認められる」と述べた。770万円は、障害年金の受給額を基準に算定したと説明した。
 和解後の会見で、啓子さんは「晃平が仕事に就けるよう、学校や家族もずっと支援してきた。可能性が認められ、満足している。働ける可能性が全く無い人なんて、この社会にいない」と話した。
 重度の知的障害者の逸失利益は、青森地裁が09年に600万円を認める判決を言い渡すなど、障害者の社会進出などを背景に、認められる傾向にある。

★ 朝日新聞ウェブ   2012年3月30日15時5分
障害児の逸失利益認める 施設側と遺族が和解

http://www.asahi.com/national/update/0330/NGY201203300007.html
 福祉施設での事故で命を落とした障害児が将来の仕事で受け取れたはずの「逸失利益」を損害賠償額に反映させるかが問われた訴訟で、遺族と施設側の和解が30日、名古屋地裁で成立した。倉田慎也裁判長が「就労の可能性があった」と認め、和解を勧告。施設側が、逸失利益約773万円を含む計約3711万円を支払うことになった。
 障害がある子どもの逸失利益が裁判で認められた例は数えるほどしかない。遺族の代理人の中谷雄二弁護士は「障害の程度が最重度とされた晃平君にも逸失利益を認めたことは画期的」と評価した。
 訴えていたのは、亡くなった伊藤晃平君(当時15)の母親の啓子さん(54)。重い知的障害があった晃平君は2007年、ショートステイ中の福祉施設で急な階段から落ちて亡くなった。

★ 中日新聞ウェブ   2012年3月29日 22時30分
「命の差別」裁判が和解へ 

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012032990223032.html
 知的障害のある次男を事故で失った遺族が、損害賠償額で「将来得られたはずの収入はゼロ」と算定されたのは「命の差別だ」と訴えた裁判は30日、名古屋地裁で和解が成立する。30日に判決が言い渡される予定だった。
 遺族の代理人によると、地裁から和解勧告があり、障害者の命の差別解消に前進的な和解案が示されたという。
 訴えているのは、2007年に短期入所施設に宿泊中、階段から転落して死亡した名古屋市守山区の特別支援学校高等部1年、伊藤晃平さん=当時(15)=の遺族。
 晃平さんは重度の知的障害に加え、自閉症だった。施設側は損害賠償を申し出たが、加入先の保険会社は晃平さんが将来働いて得るはずだった収入を意味する「逸失利益」をゼロと算出した。
 遺族は09年5月、「就労の可能性を否定するのはおかしい」と、労働者の平均賃金を元に算出した逸失利益4千万円を含む7600万円の損害賠償を施設側に求め提訴していた。

★ NHKニュース(愛知) 03月29日 19時16分 
障害児の逸失利益訴訟 和解へ

http://www.nhk.or.jp/lnews/nagoya/3004057421.html
 5年前、重度の知的障害のある名古屋市の伊藤晃平さん(当時15)が名古屋市内の施設で死亡した事故をめぐり、将来働いて得られるはずの「逸失利益」がゼロとされたのは、不当だと母親が施設を訴えた裁判で、裁判所が28日示した和解案を、双方が受け入れる意向であることがわかりました。この裁判は30日、名古屋地方裁判所で判決が予定されていましたが、裁判所が28日、最終的な和解案を示し、母親側が受け入れることを決めました。母親の弁護士は「和解案は命の差別が是正された内容で、受け入れを決めた」と話しています。一方、施設側も「和解案に応じることを決めている」と話しており、30日にも和解が成立する見通しとなりました。

  藤本由紀子氏の意見書を公開しました。
   何卒、お読みくださいますよう。

   原告側 藤本由紀子先生の意見書

  署名総数10,947筆
   25日の金山街頭署名では、NHKとCBC、東海TVが取材。
署名取材風景

★★★

中日新聞 2012年2月9日朝刊

中日新聞


中日新聞 2012年2月11日朝刊

中日新聞


裁判の概要

【事故】
 2007年(平成19年)12月22日
 伊藤晃平君(知的障害児・自閉症で障害等級1級)が障害者自立支援施設でショートステイ宿泊中、未明に階段から転落して死亡
 【提訴】
 2009年(平成21年)5月27日名古屋地方裁判所受理
 【原告】
 亡晃平君の母、姉、兄
 【請求内容】
 母/晃平君の損害賠償請求権(相続)合計6600万円(内金5500万円の一部請求)+近親者固有の慰謝料330万円
 兄、姉/近親者固有の慰謝料330万円
 【被告】
 社会福祉法人名北福祉会「ショートステイWITH」
 障害者自立支援法、知的障害者福祉法に基づく指定短期入所事業を営む。
 被告の賠償提示は1500万円(他に葬儀費用約100万円)
 ※健常児の場合は概ね5000万円程度が認められる。

 ※訴状参照

中日新聞の報道

中日新聞 【中日新聞記事全文】

『憲法の精神 命は平等』
障害児「逸失利益ゼロ」名地裁で遺族争う

 施設内の事故で亡くなった重度障害の少年が、将来得られたはずの「逸失利益」をゼロと評価され、賠償額を不当に低く抑えられたとして、遺族が補償のあり方をめぐる裁判を名古屋地裁で争っている。
 根拠は「法の下の平等」をうたった憲法14条だ。あす3日は憲法記念日。遺族は問う。「命の価値は働くことだけなのか」と。

 少年は重度の知的障害があった名古屋市守山区の故伊藤晃平さん=当時(15)。同市北区の待機入所施設に宿泊していた2007年12月22日、階段から転落し、頭を打って亡くなった。

 危険を察知できず、出入りがあれば勝手に出て行ってしまう。母啓子さん(52)は社会生活になじませようと施設に通わせていた。3回目の宿泊で事故は起きた。

 障害のない同世代なら6千万円程度が見込まれる賠償額を、損害保険会社は4分の1の約1500万円と算定。障害のため将来の収入を想定できず、逸失利益をゼロと見積もったためだ。
 納得できない啓子さんらは昨年5月、施設側に逸失利益4千万円を含む約7千万円の損害賠償を求め提訴。逸失利益の算定方法を「命の差別」と批判し、全労働者の平均賃金で計算した。

 施設側は安全配慮に過失があったことを認める。だが、逸失利益は「算定できない。差別ではなく合理的区別」と主張する。

 死亡事故の賠償額は、治療費など実際に支払った損害と逸失利益、精神的損害(慰謝料)を合算する方法が裁判で定着している。逸失利益次第で賠償額に大差が出る。
 昨年12月には青森地裁が重度知的障害者=当時(16)=の死亡事故で逸失利益6百万円を認める判決をした。だが、「一定程度の就労可能性はある」との判断で、収入見込みから算定する手法は従来と同じだ。

 名古屋大の本秀紀教授(憲法)は「命の価値や遺族にとっての重みは量れないからこそ、どれだけ稼げるかで賠償額に大差がつくのは、個人の尊厳を定めた憲法13条に照らしてもおかしい。障害者だけの問題ではない」と指摘する。

 3月8日、晃平さんが通っていた特別支援学校で同級生の卒業式があり、晃平さんの遺影も並んだ。式後、遺族の元に戻った遺影は指紋だらけ。「みんなが触ったみたい。晃平が出てくるとでも思ったのでしょうか」。目を細める啓子さん。「晃平は働くためだけに生まれてきたわけではないんです」

 ※この新聞記事のPDFファイル

この裁判の理解に

岩月弁護士

【賠償額の差別】
 施設を代理した損害保険会社から示された損害賠償額は1500万円。
 児童の死亡事故における損害賠償額は通常、おおむね5000万円程度である。障害児の命はその3分 の1に過ぎないのか。そもそも人の命は平等なのではないか。これがこの裁判の提起する問題の本質である。

 障害があろうとなかろうと、人の命は平等である。障害児を差別する提示額は明らかに不条理である。
 しかし、施設側(保険会社側)は、裁判になれば、このような金額しか認められない筈だとして譲らなかった。裁判所が通常行っている死亡事故の損害額算定方法によれば、施設側の主張する金額に近い水準になる可能性は大きい。

 この裁判は、人の命に差別があってよいのかを問うために提起された。

【逸失利益の算定方法】
 裁判所は死亡事故の損害賠償を算定する際に、その人が生きていれば、将来どれだけの収入を得ることができたかを基礎にする。この数字を逸失利益と呼んでいる。
 児童の死亡事故の場合、現実収入がないので、算定の基礎には平均賃金が用いられ、おおむね3000万円から4000万円程度になる。
 裁判所は平均賃金に68歳までの稼働年数に一定の係数をかけて中間利息を控除し、その上で、生活費を差し引く比率をかけて逸失利益を算定する。
 つまり、相当年齢まで働いたと仮定し、ここから生活費を控除して残る金額を損害額と算定する。
 死亡事故の場合、これに主として慰謝料を加えた金額が全体の賠償額となる。

【障害児の逸失利益】
 ところが、障害児の場合、将来、平均賃金を得られる可能性が乏しいとして、大幅に減額されるのが通例である。晃平君のような障害が重いケースでは、働けないものとして、逸失利益をゼロとされてしまうのだ。
 死亡事故の損害賠償額に占める逸失利益の割合は大きい。このため障害児は死んでもなお差別され続けることになる。この結果は不合理である。

 しかし、逸失利益を将来得られるであろう収入に基づいて算定する方法は、交通事故等、無数の人身事故等で裁判所が採用してきた確立された方法である。このため、障害者の命の平等を訴える裁判には、容易に突破できない厚い壁がある。

【命の平等を求めて】
 そもそも命が失われたことによって、失われたのは被害者の人生であり、生きることそのものである。
 命が奪われたことによって失われた逸失利益を、将来、得られたであろう収入のみによって算定するのは、生きることの意味を経済的利益のみに限定してしまうに等しい。
 生きることの価値が収入のみにあるのではないことは誰の目にも明らかだろう。

 また、この算定方法によれば、現在のような格差社会では、現実収入によって、人の命の価値は大きく隔たったものとなってしまう。
 障害者の命の平等を問う裁判は、広く人の命の平等を問うことでもある。それは、憲法14条が定める法の下の平等を求める闘いでもある。
 障害児の命の平等を求める裁判は全国で争われている。晃平君の裁判もその一翼を担う闘いである。

(訴訟代理人弁護士 岩月浩二)

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 本サイトでは、裁判書面や証拠は、できるだけ公開してゆきます。
 書面公開によって、しっかりとした民意の形成を願うとともに、全国各地で続く戦闘の参考になれば幸いです。

概要

事故後の経緯

裁判

逸失利益をめぐって

伊藤晃平君のこと

支援する会

署名