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一般の損害額 算定方法

愛護手帳

1 死亡事故において用いられる損害額算定方法(確定した裁判実務)

積極損害+消極損害(逸失利益)+慰謝料

積極損害 現実に生じた支出
逸失利益 生きていれば得られたであろう将来収入の合計から生活費を差し引いて算定す る。
慰謝料 死亡による被害者の精神的苦痛に対する賠償


2 消極損害(逸失利益)の算定法

(1)算定の考え方
稼働年齢を18歳から67歳までとみなして死亡しなければ得られた筈の収入から算定する。
(2)一般的算定式
年間現実収入×67歳までの年数(係数で換算)×生活比率(0.5)
(3)18歳未満の場合(健常者・男子)
平均賃金×67歳までの年数(係数により16.4)×生活比率(0.5)
おおむね4000万円になる。
(4)労働能力がない場合
この計算式では逸失利益はゼロとなる。


3 慰謝料の水準

一家の支柱ではない場合 2000万円から2400万円
被告の慰謝料提示は1500万円(その後1650万円)


算定の問題点と克服可能性

こうちゃんとピアノ

1 根本的な問題点
収入によって命の値段に差が付けられる。
労働能力がない障害児の場合、慰謝料のみの算定となるので、健常児の3分の1程度 になってしまう。

2 裁判例の動向
男女差ができることの問題は以前から自覚されていた。

慰謝料を高額にする、主婦労働を女性の平均賃金に換算する、女性の生活費控除率を下げるということで調整していた。

障害児の例では、逸失利益ゼロで慰謝料のみの判決がなく、障害が比較的軽い場合に、最低賃金を適用したものが最大の前進例。

3 年少者の逸失利益
将来得られる収入に関する複雑な計算式はもともと不確実な可能性によるフィクションに近い。

したがって、このような算定方法を採るべき必然性はない。

4 問題の本質
生命の価値はかけがえがない一方、 生命の価値は経済的に評価になじまない。
個人の尊厳の平等性に由来する生命価値は平等である。(憲法13、14条)

5 克服の方向性
(1)一律定額賠償説(賠償額の調整は加害者・被害者の過失の大小で決定する)
    交通事故訴訟が多発した1965年にすでに唱えられた。
(2)生命価値説
逸失利益を生命という価値が失われたことによって生じた賠償と考えた場合、稼働利益のみで評価する手法には問題がある(現在の逸失利益の算定法は人間の生命を利益を生む点だけに価値を認めるに等しい)
(3)格差社会という背景

6 裁判上の立証課題
(1) 提訴段階で、晃平君の写真や原告の陳述書を提出して、かけがえのない命が失われたことを具体的に訴えた。そうしないと機械的な計算方法に流れてしまう。
(2) 晃平君には未来に向けて発達する可能性があったことを立証していく必要がある。